トリチウムとは?
参照サイトの一例:原子力資料情報室(CNIC)
自然に発生する天然のトリチウムも
核爆弾や原子力発電所で発生する人工のトリチウムも
性質は全く同じ。
トリチウムの特徴は?
トリチウムはトリトン、三重水素あるいはT、H-3、3H、などと表記されます。Hは水素(Hydrogen)の同位体であることを表し、数字の3は質量数を表し、陽子(1個)、中性子(2個)の合計になっています。陽子の数が元素の性質を決めています。
トリチウム(T)は水素の同位体なので、化学的な性質は水素(H)と同じです。質量が水素(H)の3倍あるので、物理的には異なった動きをします。
水素の同位体には水素(H)、重水素(デュートリウム、デュートロン、D、H-2、2H)、トリチウム(T)があり、トリチウムのみが放射性物質です。
トリチウムは宇宙線と大気中の窒素(N)や酸素(O)との核反応(破砕反応)によって生まれます。余談ですが、炭素年代測定に使われる炭素-14(安定な炭素は炭素-12)もこの反応によって作られます。
トリチウムは宇宙線によってつくられるので、一定量が環境に広く分布しています。自然界に存在するトリチウムの量を1TU(トリチウムユニット)という単位で表します。1TUは108個(100,000,000個)の水素原子の中に1個のトリチウムが含まれていることを意味しています。
核実験(三体核分裂)によっても作られるため、環境中のトリチウム濃度は核実験前に比べて高くなっています。軽水炉(減速材に水を使う)の中では水に含まれる重水が中性子を吸収することによってトリチウムに変わりますが、それでも多くは三体核分裂によってつくられるトリチウムです。重水炉(減速材に重水を使う)では重水素と中性子の反応によって軽水炉よりもかなり多くのトリチウムが生まれます。
以上、青い字は、河野益近氏(元京大・文部技官)よりご教示いただいた内容。
なお河野氏は、専門外としつつも、トリチウムの海水中での挙動について、1)海流がよどむ場所では物理的な重さの違いが現れるかも、2)湾内などで海面より海底にトリチウムが相対的に多くなり底生生物に影響を与えるかも、3)沸点の違いが海水中の濃度に何らかの影響を与えるかも、という3つの可能性を挙げた。
その他の文献:「環境水の中のトリチウム」独立行政法人 放射線医学総合研究所 宮本 霧子(2008年7月「海生研ニュースNo.99」特別寄稿)
トリチウムは処理水から取り除けないのか?
取り除く技術は既にある、海外で実施されている、という情報がある。
除去技術の例
一方で、経済産業省が設置した有識者会議「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」は、その報告書(2020年2月10日)の中で、「 トリチウムの分離技術については、2015年度にトリチウム分離技術検証試験事業をし、『(ALPS処理水の量、濃度を対象とした場合)ただちに実用化できる段階にある技術は確認されなかった』と評価されており、タスクフォースにおいて詳細が報告された」とまとめている。
→ 検証後5年が経過していることが少々気になる。分離は諦めるしかないのか?
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