どうする? 処理水
知る→ 議論に参加する→ 結論に納得する
東京電力の福島第一原子力発電所では
東日本大震災以降、大量の汚染水が発生し、今も増加中です。
ALPSという装置で処理しても、
放射性物質トリチウム(半減期 約12年)は取り除けません。
既存の保管タンクはそろそろ満杯。
希釈して海洋放出という路線が濃厚です。
あなたは、どう考えますか?
市民からも科学者からも賛否両論が聞こえてきます。
そもそも、まだ保管場所は増やせるという声もあります。
それぞれの「言い分」を
もっと知りたいと思いませんか?
海洋放出と今後どう向き合うのか
2021年4月27日
福島県知事は「一般的な原発から放出されるトリチウム水と本質的に同じで、人体への大きな影響はないとの理解が国内外で浸透しているとは到底思えない」と発言(福島民報 風評対策「結果で示せ」知事、国に具体策求める 処理水海洋放出方針 から引用)。確かにトリチウム垂れ流しは全く福島に限った話ではない。
実施までの2年ほど(?)の間に、海洋放出への賛否を越えて、原発全般の存在を問い直すような根本的な対話が広がると良いと思う。
政府が海洋放出を決定
2021年4月13日
「海洋放出は避けられる」原子力市民委員会が明言
2021年3月11日
東日本大震災から10年の今日、原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟が、YouTube配信で「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議~福島原発事故から10年~」を開催した。
セッション「どうする?福島原発の廃炉と汚染水」では、
・廃炉優先の棄民政策は論理破綻(何のための誰のための廃炉なのか)
・そもそも廃炉の工程は既に破綻している(デブリ取り出しは不可能)
・技術的に汚染水は長期保管ができる
・福島や漁業者だけの問題ではない
といった議論がなされた。原子力市民委員会の技術者は陸上保管のメリットを強調した。海洋放出を既定路線とする派も、原発のメカニズムを知る人々による指摘を改めて傾聴し、オープンな場で検証し直すべきではないだろうか。
先送りは、いつまで可能?
2021年1月20日
コロナ禍が長引き、処理水の長期保存方法が決定されないまま時間ばかりが過ぎていく。現状維持のコスト、現場の管理者の負担、土地の確保などが気になる。大量のタンク群が地震など自然災害で壊れる可能性もゼロではない。このまま長期計画不在の状態で東日本大震災から10年目の日を迎えるのだろうか。
参照:河北新報社説「原発処理水処分方針/コロナ禍切迫 先送りが妥当」
加藤官房長官「適切な時機に決定」
2020年12月19日
福島民友ニュース「浪江、双葉、大熊3町を訪れた(中略)「適切なタイミングで政府として責任を持って決定する」と従来通りの見解を述べるにとどめた。本県視察は就任後初めて」
IAEA「国際的な監視チームを派遣する用意ある」
2020年12月19日
共同通信ニュース「国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は19日までに、東京電力福島第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分について日本側と協議しており、処分が決まった場合、要請があれば国際的な監視チームをすぐに派遣する用意があると明かした」
「タンク設置完了」だが、敷地に1年分の空き
2020年12月18日
江北新報ニュース「原発敷地内には廃炉作業に活用の予定がない「空白地帯」が存在することが分かった。東電は活用方針を決めないまま11日、現行計画に基づく処理水保管タンクの「設置完了」を宣言した。仮に空白地帯にタンクを置いた場合、満杯になる時期は約1年先延ばしされる」
東電社長、風評被害を賠償する考えを改めて強調
2020年11月13日
NHKニュース「東京電力の小早川智明社長は、慎重に決定されるべきだとしたうえで、風評被害が発生した場合は、会社として責任を持って賠償に対応する考えがあることを改めて強調しました」
※なってみなければわからないとはいえ、当事者が気になるのは、この発言にある「基本的には賠償させていただく」の「基本的には」の詳細だと思われる。
政府が処分方法の決定を延期
2020年10月22日
政府は10月27日に関係閣僚会議を開き処分方法を決定する予定だったが、寄せられた意見などを整理した結果、来月に延期した。
※参照:こちらのニュースのコメント欄など、割と海洋放出賛成の意見が多く、興味深いです。では、国民の多くは流して問題ない水質だと信じていて、甚大な風評被害が起きるという懸念は杞憂に終わるのでしょうか。課題は、信じている人が、信じていない人と語り合っていないこと、互いの溝を埋めることができていないこと、ではないでしょうか。
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第7回を開催
2020年10月8日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
東京電力が二次処理性能確認試験に着手
2020年9月15日
タンクの一部にはトリチウム以外の核種が残っている。自然界への放出を議論する前に、そもそも、これを確実に処理できるのか(二次処理はうまくいくのか)?という疑問の声が上がる中、東京電力が「二次処理性能確認試験」を開始した。
参照:東京電力作成のニュース動画
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第6回を開催
2020年9月9日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
大熊町長と双葉町長が保管延長に反対
2020年8月15日
原発立地の2人の首長(吉田淳・大熊町長と伊沢史朗・双葉町長)がそろって、処理水の保管延長に反対の意を示しました。保管延長は、新たな風評や復興の妨げにつながると主張しています。
経産省が7月31日までパブコメを実施
2020年4月6日~2020年7月31日
アベマTVが処理水に関する討論を放送
2020年7月20日
内容:福島原発の処理水 2022年夏には貯蔵タンクが満杯に...処理方法の議論は? カンニング竹山と細野豪志元大臣が激論
MC:カンニング竹山
出演:細野豪志(衆議院議員 元原発事故担当大臣)、満田夏花(国際環境NGO「FoE Japan」理事)、あおちゃんぺ(ギャルユニット・リーダー)、堀潤(ジャーナリスト/元NHKアナウンサー/8bitnews主宰、今井紀明(NPO法人D×P理事長)
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第5回を開催
2020年7月17日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第4回を開催
2020年6月30日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
国が茨城県内の首長と意見交換を実施
2020年6月19日
福島沿岸の南に位置する茨城県でも、国による保障を含む風評被害対策を訴える市町村が大多数だった。少数ながら海洋放出に明確に反対する声も上がった様子(動画など非公開のため下記記事等を参照)。
報道例:毎日新聞地方版 2020.6.20
東日本大震災 福島第1原発事故 汚染処理水「海洋放出は影響大」 国と44首長ら意見交換 水戸/茨城
FoEジャパン主催オンライン国際セミナー
2020年5月12日18-20:00
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第3回を開催
2020年5月11日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第2回を開催
2020年4月13日
動画(ライブ&録画)配信あり。
→視聴メモ
経産省が「多核種除去設備等処理水の取扱いに係る関係者の意見を伺う場」第1回を開催
2020年4月6日
トリチウム(三重水素)
水素の放射性同位体。半減期は約12年。
図の出典:経済産業省 資源エネルギー庁HP(2018年11月22日)安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策②「トリチウム」とはいったい何?
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資料集
官民産学、各主体が発信しているALPS処理水関連情報のリンク集です。
公聴会の意見への回答
経産省HP
2020.4.3 経産省が、多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)の説明・公聴会で出た意見に対する回答を公表しました。海洋放出は陸上からの排出ならロンドン条約に違反しない、風評被害は避けがたい、といった見解が示されています。「有識者委員会であるALPS小委員会の回答であり、政府の回答ではない」「政府としては、(中略)地元自治体や農林水産業者を始めとした幅広い関係者の御意見をお伺いした上で、多核種除去設備等処理水の取扱いについての方針を決定する」と但書あり。
小委員会の報告書(最終版)
経産省HPより
「2020年1月31日に開催された第17回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会において、委員長一任とされていた報告書の取りまとめ案について、最終版を同小委員会の報告書として公表します」とある。海洋放出をほぼ前提として、巻き起こるであろう風評被害にもかなり踏み込んだ内容となっている。海洋放出って本当に最善策なの? と疑問に思う国民も多いのではないだろうか?
概要版はこちら
処理水ポータルサイト
東京電力HP
タンクに保管されている処理水の量や内容が常に更新されている。
関連委員会の開催など最新情報へのリンクも。
汚染水対策の連載
経済産業省 資源エネルギー庁HP「スペシャルコンテンツ」>「福島」
2018-10-25 安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策①「ALPS処理水」とは何?「基準を超えている」のは本当?
(中略)
2020-05-29
安全・安心を第一に取り組む、福島の“汚染水”対策⑦ ALPS処理水に関する専門家からの提言
トリチウム水タスクフォース報告書
2016年6月3日 経産省
「東京電力ホールディングス(株)福島第一原子力発電所における汚染水処理対策のうち、多核種除去設備等で処理した水(トリチウム水)の長期的取扱いを決定するための基礎資料として、様々な選択肢についての技術的な評価を行い、報告書を取りまとめましたので、公表します。(本評価は、関係者間の意見調整や選択肢の一本化を行うものではありません。)」
NPO法人 原子力資料情報室(CNIC)HP
『原子力資料情報室通信』第532号(2018/10/1)より
https://cnic.jp/8203
2018年10月1日「トリチウム水問題を考える」
核化学者の高木仁三郎氏が立ち上げた民間シンクタンク。原子力発電の問題点を長年見つめてきた科学者らが、処理水の長期陸上保管や、水冷から石棺への転換を提案している。
置き去りとなった
ALPS処理汚染水
長期陸上保管の選択肢
国際環境NGO FoE Japan
(Friend of the Earth Japan)
FoEは政府の自然界放出ありきの姿勢を問題視し、長期陸上保管の可能性について十分に議論・検討された形跡がないと指摘している。
2020年1月には関係者を広く集め学習会を開催したが、市民側の質問に対する行政・東電側の回答はおおむね形式的で、会場からは不満の声が漏れていた。
この学習会の模様は、下記サイトに動画付きで公開されている。陸上保管に関する貴重な情報を知ることができる紙資料のリンクもそろっている。
東電が汚染水を海に流してはいけない
4つの理由
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンHP
グリーンピース・ジャパンは2019年12月24日、汚染水処理対策委員会宛に「汚染水を意図的に放出せず、並行してトリチウム分離技術の開発・適用を求める署名」4万1521筆を提出した。
2020年1月31日には、同日に開催された経済産業省の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会(ALPS小委員会)」の内容を受けて声明を発表。「汚染水問題、大量の放射能の環境放出に懸念」と題したブログを更新した。
原発事故9年「海か大気に放出を」ほかに選択肢は?福島の苦悩
NHKウェブ特集
同サイト第1回の導入部より引用
「世界最悪レベルの原発事故からまもなく9年。東京電力・福島第一原子力発電所をめぐるさまざまな問題は、いまどのような状況になっているのか。そして、なぜそのような状況になっているのか。今回から7回に分けて丁寧にお伝えしていきます」
福島第一原発の記事一覧
東京新聞HP
「汚染水」というキーワード検索で、これまでの記事を一覧できます。
運営について
当サイトは科学ジャーナリスト塾(18期)に導かれた出会いを契機に、
「わかりやすいプロジェクト国会事故調編」に感銘を受けた海洋ジャーナリストが
2020年2月1日に立ち上げたサークル活動「どうする?処理水」のホームページです。
棲み分けが進むネット社会で、両極端な説も一覧して比較検討できるような場、
異なる考え方に触れられる学びの場を提供し、対立より対話を生むことを目指しています。
※テーマを絞った活動なので、ALPS処理水の今後が確定次第、休止予定です。
→2021/04/27「確定」かどうかは微妙ですが、一旦サイトの更新を休止します。