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トリチウムの廃棄ルール

現状の規制では、希釈して捨てていいことになっている。

FoE「学習会:ALPS処理汚染水について知っておきたいこれだけのこと」


 
「トリチウムは、排出濃度の基準として6万ベクレル/リットルが設けられています。年間の排出目標値は原子力施設ごとに定められており(中略:飲料水のトリチウム濃度基準も地域によって大きな幅があるのは)トリチウムの健康リスクに関して、意見が分かれていることに由来するものかもしれません。東電や経済産業省がよく引き合いにだすWHOの基準は、カナダやアメリカ、EUと比して高い基準となっています」

FoEサイト2020.3.24 東電福島第一原発で増え続ける、放射能を含んだ「処理水」Q&A「Q:トリチウムの規制はないの?各国の基準」より


「トリチウムには海産生物による濃縮効果がないと考えられている(高度情報科学技術研究機構による)ことから、かなり緩い基準が設定されているのです。ちなみにアメリカでは 3 万 7 千ベクレル、フランスでは 4 万ベクレルとなっています」

うみひるも261号 向井宏の連載エッセイ「海の放射能汚染(「トリチウム水の海洋放出」で考える)」第3回「原子力発電所からの海洋汚染」より


 


「原子炉等規制法で定められている排水基準は、分母に各放射性物質の規制値を、分子に排水中の各放射性物質の濃度をとって計算し、その総和が1を超えないようにすることが定められています。トリチウムの排水基準はトリチウム以外の放射性物質がない場合に適用されるのであって複数の放射性物質が存在している汚染水には適用されません

取材先:元京大・文部技官 河野益近氏

 

海洋放出するのなら、トリチウム以外の核種を確実に取り除く必要がある。

その際に再び浄化装置を通すためコストがかかる。汚染されたフィルターごみも発生する。

フィルターごみの増加は問題にならない量なのか?


海洋放出を急ぐ場合は、まだ半減期に達していないトリチウム以外の放射能の強い核種が多く含まれる水を処理するため作業員の被ばく対策が必要。再び処理するためのコストも必要。長期保管に必要なコストと比較を。

 

なぜ希釈して捨てていいことになっているのか? → 苦労して分離しても完全な回収は難しく、薄めてしまえば、不完全な分離後と同じ濃度になるから?

参照:独立系ビジネス評論サイト「新宿会計士の政治経済評論」


海の中のトリチウムの総量は増える? →もともと天然で存在している&半減期があるため問題になるほどは増えない? 局所的な分布が問題?


そもそも人間目線の基準を生命にあふれる海洋に持ち込むこと自体への批判もある。


「福島第一原発では、2010 年まで毎年ほぼ 1~2 兆ベクレルのトリチウムを放出してきていました。どこの原発施設でも同じくらいのトリチウムをこれまで放出してきました。しかし、このような排出の規制基準は、人体への影響をもとに考えられてきました。人間に影響が無い程度の濃度基準ということであり、その他の生物への影響については考慮されていません。海水などに直接触れることがあまりない人間への影響は間接的にしか考えられないでしょうが、海水の中に生き、常に海水と接している海産生物に影響が無いとは考えられません。トリチウムは自然にも存在する放射性物質ですが、その濃度はきわめて低く、生き物たちは生き物が発生した時からその濃度のトリチウムを含んだ海水の中で生きてきました。ところが、人間が核兵器の実験や原子力施設からこの 70 年くらいの間に新たに高濃度のトリチウムを海に注ぎ込んできました。それは自然のトリチウム濃度を大幅に超える濃度のものです。規制基準でさえ、自然の濃度の 1 万倍くらいあります。自然にも 存在する放射性物質だから人間が高濃度の放射性物質を加えても何の問題もないのでしょうか。決してそんなことはないはずです。これまでも原子力施設から大量のトリチウム水が排出されてきました。大気中へ蒸発さ せたものもいずれ海へ流れ込んできます。海は人為的に作られたトリチウムのたまり場になってしまいました。その影響は目に見えません。いや、見えているかもしれませんが、それがトリチウム濃度の上昇が原因だと言えないだけなのです」

うみひるも261号 向井宏の連載エッセイ「海の放射能汚染(「トリチウム水の海洋放出」で考える)」第3回「原子力発電所からの海洋汚染」より

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